2月19日、県議会の環境厚生常任委員会で質問を行いました。概要を報告します。
【健康福祉部関係】
〇ワクチン接種が開始――感染対策とあわせて2大事業を万全に
ワクチン接種がはじまったことをふまえ、次のように意見を述べました。
ワクチンの接種がはじまりました。ワクチンの安全性や有効性とともに副反応などリスクも含め、迅速・徹底的な情報公開が必要です。また厚労省によると、ワクチンの効果は発症予防効果は臨床実験で確認されたが、感染予防効果については明らかになっていない、という段階です。したがって当面は、ワクチン接種とともに感染対策も引き続き重要で、県はこの2つの大事業を担うことになります。国に対して十分な支援を求めるとともに、県のとりくみが万全に行われるように求めていきたいと思います。
〇感染症法などの改定は無意味なだけでなく有害――適用にあたっては慎重を期すように
国会で、感染症法などが改定され、2月13日から施行されました。この改定を受けて、三村知事が、“保健所の積極的疫学調査、入院勧告などの実効性を確保し、感染拡大を抑え込むための知事会の提言が反映された”という趣旨のコメントを出したので、本当にそうなのか、いくつか検証を試みました。
※知事のコメント「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部改正に係る知事所感」
まず、これまで入院勧告に従わなかった人はいたのか? 答弁は「いません」。
これまで存在しなかった入院勧告拒否を、罰則規定によって実効性をあげることはできません。
次。保健所における積極的疫学調査は、罰則をふりかざして行うもののか? 本県ではどう行われてきたのか? 答弁は「信頼関係を基本に、丁寧な説明をし、プライバシーにも配慮して行ってきた」。
今度の法改定は、その努力に水を差すものだと指摘しました。
すでに各界からいくつかの疑問の声があがっています。
▶全国保健所長会は、「保健所は住民に寄り添い、住民の健康と命を守る使命をもって業務を行っているが、もし罰則を振りかざした脅しを行うことにより住民の私権を制限することになればアンビバレンスと言わざるを得ず、職員の気概も失われ、住民からの信頼関係を築くことは困難になり、住民目線の支援に支障をきたす恐れがある」とコメント。
▶政府の分科会メンバーの一人はNHKの取材に対して、「罰則が前面に出てくれば『感染にかかわる情報は言わない方がよいのではないか』という風潮になりかねず、かえって対策の妨げになってしまう」とコメント。
▶政府の基本的対処方針ですら、都道府県は罰則の適用について慎重にと言わざるを得ず、さらに「患者への偏見・差別につながらないように」とわざわざ書き込んでいる始末です。
患者への偏見・差別につながるような法改定をなぜわざわざしたのか。
無意味なだけでなく、感染拡大防止の努力の足を引っ張りかねないものだと思います。
罰則の適用にあたっては、慎重を期すように求めました。
〇保健師の増員、看護師の派遣調整の仕組みづくりを――感染対策としてやるべき手立てはいっぱいある
感染対策のために、やるべきことは他にたくさんあると思います。
この日の委員会では、具体論を2つに絞って聞きました。
一つは、保健師の増員です。答弁では、保健師の役割が非常に重要だ、という認識はありました。健康福祉部だけで増員が決められないという事情もあると思うので、予算委員会でしっかり詰めたいと思います。
もう一つは、看護師の派遣調整の仕組みです。関係団体とよく相談していきたい、ということでした。
〇生活保護の扶養照会について――「機械的な扶養照会」や「扶養が保護の要件であるかのような説明」は不適切
生活保護の扶養照会についても聞きました。
いくつか論点があり、振り返ってみると、私自身が不理解だった部分もあるんですが、青森県の姿勢として、次の2点ははっきりしました。
▶個々の事情を勘案することなく機械的に扶養照会を実施している等の不適切な事例を確認した場合は、改善を指示している。
▶扶養義務者と相談してからでないと申請を受け付けないなど、扶養が保護の要件であるかのごとく説明を行うといった対応は不適切。
機械的な扶養照会はダメ。
扶養が保護の要件であるかのように言う説明もダメ。
ということです。
県の答弁と、市の段階で聞く話に齟齬があるので、この答弁を踏まえて、実際にどうなっているのか、検証が必要がだと思います。
〇特別障害者手当――周知徹底を丁寧に
「制度が知られていない」という声が寄せられるのが、特別障害者手当です。
障害者手帳がなくても大丈夫です。
要介護度4、5の人なら、受けられる可能性があります。
「施設に入っているとだめ」と説明されますが(県のHPでも)、グループホームや住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の場合なら支給の対象になります。
こういう点も含めて、丁寧に周知がされるように求めました。
弘前市では、わが党の石田市議の質問に対し、次のような周知を検討すると答弁しています。
「新たな介護認定を受けた方へ結果通知書を送付する際、この制度の内容が分かるものを同封する」「市が開催している介護支援専門員の研修会で、研修項目に追加する」。
こういった努力も参考にして、とりくみをすすめるように求めました。
【環境生活部関係】
〇第5次男女共同参画基本計画の策定を受けて――性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの機能強化を
国の第5次男女共同参画基本計画が閣議決定されたことを受けて、1点だけ聞きました。
この基本計画では、「2025年までに、すべての都道府県の性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを365日対応に」という目標が書き込まれていました。これを本県でどうすすめるのか聞きました。
国は令和4年度までを、性犯罪・性暴力対策の集中強化期間として実効性ある取り組みをする、としていますが、答弁は、そのことにも触れて、努力していきたいというものでした。
森発言もありました。
選択的夫婦別姓の文言が削除されるなど、第5次男女共同参画基本計画そのものの限界もあります。
ジェンダー平等をもとめる大きな流れに青森県も合流し、促進する立場になるように、私としてもさらにがんばる決意を述べて終わりました。
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