11月14日、八戸市で小池晃書記局長を迎えた街頭演説が行われました。八戸まで足を延ばして参加してきました。時間を忘れさせる小池節のテンポの良さに、寒さまで忘れて聞きました。

小池さんが一番強調していたのは、「政権交代だ」ということです。

日本学術会議の会員任命拒否問題をめぐり、菅政権が安倍政権以上の強権ぶりを発揮しているわけですから、「政権交代」の必要性はよくわかります。そのためには、日本共産党を大きくしてほしい、という呼びかけに、気持ちを高ぶらせて帰ってきました。

日本学術会議の会員任命拒否問題をめぐり、各界から抗議声明が出ていますが、朝日新聞がそのうちのイタリア学会と上代分学会の代表2人の対談を載せています(私が見たのはネット版。紙ベースは見つからなかった)。

イタリア学会・藤谷道夫会長

「個人的には7年8カ月にわたる安倍晋三首相の在職中、森友・加計学園問題、特定秘密保護法、安保法と、目に余る民主主義無視の行状に不満が募っていました。今回は臨界点を超えた気がしたんですね」

上代文学会・品田悦一代表理事

「学術会議問題をめぐる目下の情勢が、昭和の大戦に向かう状況と重なります。言論統制へと至りかねない重大な曲がり角であると危惧しています」

安倍政権と質の違う危機感を共有します。

イタリア学会の声明は、大変、示唆に富み学ばされるものでした。

歴史上の人物が次々と登場します。

例えばカエサル。クレオパトラを妻としたローマの将軍ですが、彼が始めたのが、元老院議事録と国民日報を編集し公開することだったそうです。世界で初めて情報公開制度を始めたのはイタリアであり、「これが民主主義への第一歩である」と声明は言います。

古代アテナイの三大悲劇詩人のひとりアイスキュロスや19世紀の作家カフカの作品に引き寄せ、《説明しないこと》こそ権力だといいます。「人事を恫喝して従わせる手法は、一種の《暴力》とみなされる」と。

地動説を唱えて異端審問所の審査を受けたガリレオももちろん出てきます。「この問題の本質は、時の権力が『何が正しく、何が間違っているかを決めている』点において、ガリレオ裁判と変わらない」。

こうしたものを読めば読むほど感じるのは、菅政権が踏みにじるものは、人類が営々と積み上げてきた自由と民主主義の伝統そのものじゃないか、ということです。この政権を打倒することは、いわば人類史的意義をもっているという風にも思います。

日本共産党は、綱領のなかで、「それぞれの段階で日本社会が必要とする変革の諸課題の遂行に努力をそそぎながら、21世紀を、搾取も抑圧もない共同社会の建設に向かう人類史的な前進の世紀とすることをめざして、力をつくす」と決意する政党です。その決意にふさわしく、政権交代・野党連合政権へとがんばりたいと思います。