福島県に視察にいきました。

再生可能エネルギーをひろげるために、自治体としてどういう努力が必要なのかを学んできました。福島県、二本松市、喜多方市、(株)福島発電、福島県農民連でお話をうかがってきました。感謝感謝です。

いろいろあったんですが、特に大事だと思ったのが次の3点。

福島県は、県内エネルギー需要の100%相当量を再生可能エネルギーで生み出すことを、「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン」という形で目標にしています。原発事故があったという事情があるとはいえ、県がこういう大きな目標をしっかりかかげている、ということの大切さを感じたことが一つです。

例えば、住宅用太陽光パネルの設置に補助金が出ていますが、「直接的な効果はもちろんだが、それ以上に、県の姿勢を県民に伝える役割を果たしてくれている」とおっしゃったのが印象的でした。大きなビジョンをしっかり据えれば、そこに向けた努力も共有できる。それが目標達成にとって不可欠だということを学びました。

この住宅用太陽光パネルの設置に、県が補助をしていることの威力を感じました。これが第二です。

喜多方市で聞くと、市も上乗せをしているので、太陽光パネル設置費用の1割は補助金でまかなえるということでした。蓄電池への補助もはじまるようですが、県の制度設計が市の補助を上乗せしやすいように配慮しているとのことで、市から歓迎されていました。この辺りも、「再生可能エネルギー100%」という大目標が据えられていることの威力だと思いました。

三つ目に、住民参画への努力です。

二本松市では、「ご当地エネルギーをみんなで考える株式会社」が市民本位で運営されていて、市と一体でソーラーの設置をすすめているそうです。この会社の略称はゴチカン。覚えやすい略称です。

担当者のお話は、エネルギー生産による利益を、とにかく県外・海外ではなく域内にどう循環させるのか、という問題意識を強く感じさせます。ゴチカンとともにソーラー開発をすすめているのはそのひとつです。

二本松市では、市の施設7割の電力を入札にした結果、7000万円の財政支出が削減できたそうです。落札したのが東北電力だという場合もあるようですが、「それでも電気代が安くなったのには変わらない」とおっしゃっていました。大阪の吹田市では、入札の条件に再生可能エネルギー比率をつけ3割縮減できたそうです。いろいろな努力の一つとして聞きました。

再生可能絵エネルギーの普及は、キーワードでいうと、地産地消、分散型、ご当地発電などなどとなりますが、地域分散型で、地域の新たな力になることが必要です。福島農民連は、ソーラーの設置を各地でおこなっていますが、応対してくれた方は、「発電の利益は、みんなのものとして分配される。これこそまさに『生産手段の社会化』です」と言っていました。実践の先頭にいる人の手応えですから、説得力十分でした。

福島で学んだことを生かし、青森県で地域分散型の再生可能エネルギーの推進へと努力を強めていきたいと思います。